金沢大学 大気環境工学研究室
  since 23-07-2008

研究室の概要

News

2011年4月1日付で,本研究室は,新しく設立されたサステナブルエネルギー研究センターバイオマス利用部門に参加することになりました(古内教授:兼任,畑助教:協力教員)。環境工学講座全体でチームを組んでいますが,本研究グループは,主にバイオマス直接燃焼に関わる環境負荷とその対策に関する研究を担当することになります。

2011年3月24日付で,金沢大学とタイ・プリンスオブソンクラ大学の間に大学間交流協定が調印されました。合わせて,学生交流の覚書も調印されました。これまでの当研究室や金沢大学関係者のプリンスオブソンクラ大との活発な交流があってのことです。今後も両大学の交流が益々発展することが期待されます。

2010年11月末から12月初めにかけて,櫻井副学長,長尾学長補佐らに古内教授が同行して,タイの主要大学(チュラロンコン大,キングモンクット王工科大トンブリ校,コンケーン大,プリンスオブソンクラ大を訪問し,学生交流に関する現状調査と意見交換を行いました。これをきっかけに,2011年2月にコンケン大から金沢大への訪問があり,理工学域の教員と活発な意見交換が行われました。また,同月に古内教授がプリンスオブソンクラ大を単独訪問し,副学長と大学間交流協定締結,修士課程ダブルディグリー制度に関する議論を行いました。

2010年10月から2011年9月までの予定で,JENESYSプログラム(長期)の下、タイから2人の学生(チュラロンコン大学工学部修士課程学生(M2)1名,プリンスオブソンクラ大学理学部修士課程学生(M2)1名)が研究室に滞在しています。

2010年8月に,平成22年度「日中韓等の大学間交流を通じた高度専門職業人育成事業」(キャンパスアジア中核拠点支援事業(旧日中韓GP))に金沢大学の「環境・エコ技術特別コースによる環境教育」(PDF)が採択され,同コースの準備が始まりました。古内教授もコアメンバーとして参加しています。2011年4月から,日本人学生4名,中国,韓国から各1名の学生が入学し,本格的にプログラムが開始されました。2011年10月からは,中国からの留学生が6名前後参加することになっていますが,本研究室にも新しいメンバーが加わることになります。

平成22年度,組織的な若手研究者等海外派遣プログラム,国際的ネットワークを利用した環境汚染の健康影響と対策を研究する若手研究者の育成(平成22年〜24年度)(日本学術振興会)が採択され,平成22年度から3年間,金沢大学の若手研究者らが毎年海外へ派遣される非常に貴重な機会が得られることになりました。平成22年度は,本研究室から,カンボジアとタイへ畑助教らが派遣されました。平成23年度も,引き続き派遣される予定です。海外での経験,人脈を作りたい人にとっては,またとないチャンスと言えます。

かねてから当研究室・大谷研究室・産業技術総合研究所・(株)日本カノマックスで共同開発中の「ナノサンプラー」のカタログが製品発売を前に出来上がりました(2010.4.14)。

2010年2月26日〜3月26日の間,研究室に滞在した(JENESYS短期プログラム)タイの大学院生3名が3月27日,タイに無事帰国しました。

2010年3月25日に,タイ・国立ナノテクノロジーセンター研究員で金大博士課程(薬学)出身のRawiwanさんが訪問されました。当研究室で開発したパーソナル・ナノサンプラーと大谷研と共同開発したナノサンプラーをキーツールとして,同センター、地元企業と共同で,作業環境中のナノ粒子曝露と曝露ナノ粒子の生体影響評価を行うプロジェクトを立ち上げることになりそうです。

2010年3月17日に,当研究室OBで,武漢科学技術大学・教授の韓軍氏が当研究室を訪問されました。韓軍教授は,廃棄物燃焼排ガス中の重金属成分の挙動に関する研究で活躍されており,最近はバイオマス燃焼からのPAHs発生などの研究も手がけています。今後は研究交流をさらに活発化していくことになりました。

非常に残念なニュースですが,2005年3月に始めたカンボジア調査の時からいつも協力をしていただき,2007年からは緻密な観測を続けてくれていたカンボジア・教育大学(NIE)のLinn Kanithaさんが2月18日に急逝されました。心からご冥福をお祈りしたいと思います(彼女の追悼文)。2番目の写真は、カニタさんに最初にあった日(2005年3月13日)のものです。プノンペンのダイヤモンドホテルの屋上で,カンボジアで最初の観測を始める直前でした。サンプラに興味津々の彼女が,装着済みのフィルタに思わず手で触れてだめにしてしまったことを今でも良く覚えています。何でも興味を持ち,一生懸命になってくれる女性でした。残念としか言いようがありません。
  

2009年11月24日〜27日の間,タイのバンコクで開催された第6回アジアエアロゾル会議に,研究室からも参加しました(古内,畑,三宅)。大谷研究室からの発表と大谷教授の招待講演と合わせて,慣性フィルタをかなりアピール出来たようです。詳細は追って紹介させていただきます。

2009年11月と12月から,タイの大学から女子学生2名が,約1年間の予定で研究室に滞在しています。二人は,研究協力関係にあるチュラロンコン大学工学部とプリンスオブソンクラ大学理学部の博士課程の学生です。詳細は追って紹介させていただきます。

2009年8月末から9月上旬に,JENESYS短期プログラムで、タイから3人の学生(チュラロンコン大学2名,プリンスオブソンクラ大学1名)が研究室に滞在しました。詳細はまた後ほど紹介させていただきます。

2009年6月2日から2日間,金沢市山側環状線の崎浦・涌波トンネルで,道路交通起源のナノ粒子に着目した観測を行いました。研究室のメンバがー全員参加で,昼夜を徹して行われましたが,大きなトラブルも無く無事終了しました。ナノ粒子サンプラ,パーソナルナノ粒子サンプラ,TEOMなど,研究室のほぼ全ての観測機器と大谷研究室からお借りしたSMPSを総動員しての集中観測となりました。この成果の一部を,昨年度までの観測結果と合わせて,第26回エアロゾル科学・技術研究討論会(岡山)および2009年アジアエアロゾル会議(AAC2009,バンコク)で公表しました。

プリンスオブソンクラ大学工学部機械工学科のペラポン・テカサクル准教授Director of Research and Development Office, PSU)が,2009年5月11日〜22日の期間,JSPS-NRCTの二国間交流事業・「天然ゴムスモークシート製造に伴う環境汚染の現状評価と対策」の一環として,研究室に滞在しました。この間,実験や論文執筆のための議論に時間を割く一方,副学長,工学部長,日本海域環境研究センター長など,大学間協定を進めるための表敬訪問を数多くこなすなど,精力的な活動が印象的でした。また,滞在期間中に,大学周辺のカレー屋を総なめにするほどの日本のカレー好き振りも発揮されました。

金沢大学・塚脇真二准教授をリーダーとするERDAC(Environmental Research Development Angkor, Cambodia) のチームが中心となって「カンボジア・アンコール遺跡区域に於ける環境破壊・環境汚染の現状と影響評価」に関する研究が進められていますが,同チームの研究成果報告会が,2009年3月17日にシェムリアプ・UNESCO/JASA Hallで,同18日にプノンペン・カンボジア工科大学講堂で,それぞれ国際シンポジウムとセミナーとして実施されました。大気汚染に関する報告も,当研究室の古内教授から行われました。報告内容は少なからずカンボジア内外で反響を呼んでおり,カンボジア国内でも大気汚染の深刻さが次第に認識されるようになってきています。

研究分野

本研究室の研究フィールドは,1)大気環境モニタリングと発生源影響の評価,2)大気汚染物質の排出抑制と測定のための新技術開発,3)廃棄物・バイオマス燃料燃焼時の生成大気汚染物質の特性評価,4)その他に大別されます。各項目の主な研究テーマは以下の通りです。

1)大気環境モニタリングと発生源影響の評価

天然ゴムスモークシート製造に伴う汚染物質の発生と環境影響に関する調査研究
  日本が輸入する原材料を生産する国での環境問題は,決して他国の問題ではない,というのがこの研究の重要な動機付けになっています。ここでは,輸入原材料として,日本では生産がゼロで全て輸入に頼っている天然ゴム一次製品であるリブ付きスモークシート(RSS)に着目しています。RSSの最大生産国であるタイで天然ゴム樹液採取からRSSを製造・輸送する過程,ゴムタイヤを日本で製造するまでの過程で生ずる環境負荷を,発生源調査を含む現地調査と既存インベントリー(排出量)データに基づいて考察し,生産国での多環芳香族化合物(PAHs)など燃焼起源汚染物質による環境負荷が圧倒的に高いことを明らかにしています。また,RSS製造工場が集中するタイ南部ソンクラ県で2005年から継続的な大気環境調査を実施しており,RSS生産の最盛期(1-2月)には,PAHs濃度がバックグラウンド濃度の5-6倍にも達することなどを明らかにしています。
  現在は,より詳細な輸送経路と輸送量の把握,製造工場での排出源単位の評価精度の向上など,インベントリーデータの信頼性の向上を目指した調査に加え,季節変動,気象の影響をより詳細に把握するため,周辺環境大気汚染の継続的観測を行いながら同県内で多点同時観測を実施し,モンスーン季節風による汚染物質輸送の影響を考察しています。さらに,RSS製造工場内の作業環境汚染の実態と作業者への健康影響を継続的に調査し,総合的環境対策を検討しています。最新の検討結果を第26回エアロゾル科学・技術研究討論会第6回アジアエアロゾル会議で公表しました。
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アンコール遺跡区域の大気汚染の評価と発生源寄与の考察,環境モニタリング体制の構築
  アンコール遺跡では,観光客の激増が深刻な環境破壊をもたらしていることは意外に知られていません。環境破壊は,森林,土壌,河川,湖などの動植物生態環境や地下水など,非常に広い範囲で起こっていますが,本研究室では,インフラの乏しい途上国での無秩序な観光開発が引き起こす大気汚染の問題に世界に先駆けて着目し,2005年5月以降,アンコール遺跡整備機構(APSARA)とカンボジア・エネルギー鉱工業省の全面的な協力と,金沢大学および日本学術振興会の資金的サポートを得て,アンコール遺跡区域の大気汚染調査と気象観測を継続的に実施するとともに,観測技術の移転,APSARAによる環境モニタリング体制構築の支援を行っています。
  これまでの観測結果から,浮遊粒子と多環芳香族化合物に代表される燃焼起源の有害汚染物質による汚染が特に深刻で,遺跡観光の基地であるシェムリアプ市街が非常に汚染されているのはもちろんのこと,アンコールワット内でもバンコク中心市街並の汚染状況にあり,夕日に照らされたアンコールワットを眺める景勝地として人気のバケン山付近では,日没前の観光交通渋滞時に,恐らく遺跡区域でも最も汚染された状態になっている可能性があること等を明らかにしています。また,市内のホテルでの聞き取り調査から,安定して安価な電力を供給するため,ほぼ全てのホテルで中・大型ディーゼル発電機が常時使われており,しかも発生源対策が施されないまま大量の排ガスが垂れ流しになっていることが分かってきました。2007年末に始まったタイからの買電がどの程度この状況を緩和しているのか,今後調査を進める予定です。また,集積場も含めて至る所で行われているゴミの野焼きも,無視できない汚染物質発生源と考えられます。調査では,遺跡区域を含むシェムリアプ周辺の温度分布の測定から,密林による気候緩和の効果が非常に大きいことも明らかにしており,遺跡や生態系保護の観点で,観光開発による伐採で急速に減少する密林の重要さが改めて認識されています。
  現在はAPSARAと連携した継続的大気汚染観測を行いながら,道路交通,ホテルに設置されたディーゼル発電機,薪,廃棄物燃焼といった主な発生源の調査データに基づいてそれぞれの寄与比率を明らかにし,現実的かつ効果的な発生源対策を提案することを目指して調査を進めています。最新の検討結果を第26回エアロゾル科学・技術研究討論会第6回アジアエアロゾル会議で公表しました。
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プノンペン市内の大気および温熱環境の評価と発生源寄与の考察
  発展途上国の都市の急速な経済発展に伴う大気汚染の深刻化の状況とその特性を明らかにして,将来的な環境変動予測と有効な環境対策を検討するために,カンボジアの首都プノンペンを対象として,2005年3月から市内複数箇所で大気汚染および気象観測を継続的に実施しています。これまでの観測結果から,浮遊粒子とPAHs等の有害大気汚染物質による深刻な汚染状況や夜間のPAHs濃度の上昇を明らかにするとともに,昼夜・季節変動の原因,各種発生源の影響,ヒートアイランドに代表される温熱環境に与える土地利用,道路交通,メコン川周辺の冷気流の影響,気温と大気汚染物質濃度の関係などについて考察しています。また,プノンペン市街地に近接する大気規模ゴミ集積場での野焼き・自然発火の問題(通称スモーキーマウンテン)に着目し,2008年1月から周辺への環境影響について予備的調査を開始しました。
  その調査結果の一部が,ERDAC主催の国際シンポジウム・セミナーで報告されました。最新の検討結果を第26回エアロゾル科学・技術研究討論会第6回アジアエアロゾル会議で公表しました。
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大気中エアロゾルナノ粒子の特性と発生源影響の考察
  空気中のナノ粒子は,呼吸器に吸引されると,鼻喉や気管などで取れてしまう大きな粒子と違って容易に肺深部に到達し,ナノ粒子が持つと推測される高い有害汚染物質含有率,比面積の大きさなどの性質と合わせて,高い健康リスクが懸念されています。ナノ粒子はナノ素材の製造現場だけでなく,至る所に存在すると考えられますが,詳細な化学成分情報を含む大気中のナノ粒子の特性と汚染状況は,現在はほとんど知られていません。
  この研究では,新たなアイデア(慣性フィルタ)に基づいて開発した低圧損,高流量の「Nanosampler」を用いて,国内だけでなくタイ,カンボジア,中国などの国外も含む様々な特徴を持つ大気環境下,燃焼源,作業環境,道路トンネルなどでエアロゾルナノ粒子の採取を進めており,大気中ナノ粒子の物理・化学的特性の詳細な情報を蓄積して,ナノ粒子汚染の現状およびその健康リスクを明らかにしていきます。
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2)大気汚染物質の排出抑制と測定のための新技術開発

ナノ光触媒エアロゾルの超音速流れを利用した有害大気汚染物質の高速分解技術の開発
  超音速流れ中にあるガス状・蒸気状物質が非常に高い過飽和状態になることを利用して,揮発性有機化合物(VOC),低沸点多環芳香族化合物のようなガス・蒸気状汚染物質を,ナノ光触媒エアロゾルの粒子表面に集中させて爆発的に分解する技術を開発し,その光分解特性に及ぼす紫外線強度,光触媒エアロゾル濃度,化合物特性などの影響を検討しています。現在は,VOCをモデルガスとして,分解機構を基礎的な視点から詳細に検討しています。
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軟X線による燃焼排ガス中の多環化合物の分解特性の検討
  取り扱いが容易で比較的高いエネルギーを持つ「軟X線」に着目し,軟X線による排ガス中有害大気汚染物質の効率的分解の可能性を検討しています。具体例として,大気中浮遊粒子やバイオマス燃焼煙中の粒子に含まれる多環芳香族化合物の分解に適用し,非常に短時間で効率的に分解できることを示すとともに,さらなる改良を目指して,分解特性に及ぼす化合物の特性、粒子径の影響,照射エネルギーの影響,効果的な照射方法などを検討しています。最新の検討結果を第6回アジアエアロゾル会議で公表しました。
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エアロゾルナノ粒子高速サンプリング技術の開発
  空隙率が大きい微細繊維層に比較的高速(数m/s〜数十m/s)で気流通過させることで,粒子を荷電せずにかつ減圧による損失を最小にした上で数10〜数百nmの超微細粒子(ナノ粒子)の高速分級を可能にする「慣性フィルタ」のアイデア(金沢大・大谷研究室)に基づいて,100nm以下の空気中のナノ粒子を低圧損(15〜25kPa),高流量(40L/min)で捕集できる「Nanosampler」を民間企業と共同開発し,適切な装置構造や繊維特性,充填特性などの検討減圧インパクタ(LPI)などの既存の粒子分級装置との特性比較を行っています。さらに国内外の屋外環境や発生源などの種々の環境下で大気中ナノ粒子を捕集し,大気中ナノ粒子の物理・化学特性とナノ粒子汚染の現状を考察しています。同装置の2010年中の商品化を目指して,現在最終的な評価を行っています。最新の検討結果を第26回エアロゾル科学・技術研究討論会第6回アジアエアロゾル会議で公表しました。
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エアロゾルナノ粒子個人ばく露評価用サンプラ(パーソナルナノサンプラ)の開発とナノ粒子ばく露の実態調査
  作業環境では,作業者は作業内容に応じて低濃度から高濃度まで広範な濃度範囲の汚染物質にさらされるため,健康影響を正しく評価するには,「エリア」中の固定点での濃度・特性評価だけでなく「人間の呼吸域」でのばく露量評価が必須になります。しかし,ナノ粒子だけを選択的に分離し,その個人ばく露量を評価するための機器は今のところ存在しません。本研究室では,「慣性フィルタ」の技術を応用した小型で携帯可能な世界初の個人ばく露測定用ナノ粒子サンプラ(「Personal Nanosampler」)を開発中であり(試作・試験済み。特許出願中),装置改良を行いながら,道路トンネル内,各種作業環境やタバコ煙汚染環境等で,これまで全く未知であったナノ粒子ばく露の現状を調査しています。現時点では空気力学径で130nm,移動度径で80nm以下の粒子の個人ばく露の評価ができる装置を開発しています(論文および学会で公表済み)。さらに小さい粒子を選択捕集できる装置改良を継続しており,オンライン測定への挑戦も検討しています。
  これまでの調査結果によれば,200nm未満のナノ粒子を含む超微細粒子域では,多環芳香族化合物などの燃焼起源有害化学物質の含有率や毒性等価濃度が最大になること,道路トンネル内側歩道中の超微粒子は喫煙車両中よりも有害汚染物質比率が高いこと,多環芳香族化合物(PAHs)の体内代謝物と超微粒子中のPAHs濃度に良い相関があることなど,この粒子域の特性を評価することが健康影響を議論する上で極めて重要なことを明らかにしています。また,キーデバイスである「慣性フィルタ」の構造改良による低圧損化・より微小な分級径の実現を進めています。最新の検討結果を第26回エアロゾル科学・技術研究討論会第6回アジアエアロゾル会議で公表しました。
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3)廃棄物・バイオマス燃料燃焼時の生成大気汚染物質の特性

未燃・可燃混合廃棄物の燃焼で発生する排ガス中汚染物質の特性に及ぼす混合状態の影響の考察
  一般廃棄物の分別処理が進められている一方で,産業廃棄物処理の過程では分別作業が困難な場合が多く,未燃・可燃分が混合状態で燃焼される場合が多くなっています。本研究では,こうした現実的な廃棄物燃焼処理炉における適切な燃焼条件の指針を明らかにする目的で,種々の雰囲気下で未燃・可燃混合物のモデル燃焼実験を行い,混合比率、廃棄物充填状態、流動状態が発生する排ガス中の成分,粒子濃度,粒子径分布,粒子中の多環芳香族化合物などの燃焼起源有害汚染物質の特性に及ぼす影響を検討しています。
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バイオマス燃焼ガス中のガス状、粒子状成分の特性と環境影響評価
  天然ゴム他木材,その他のバイオマス,廃棄物などの燃料や廃棄物としてのバイオマス燃焼による環境負荷を,CO2の観点だけでなく,多環芳香族化合物やナノ粒子などの健康影響が大きいと考えられる有害化学物質の排出の観点でとらえ,各種バイオマスを用いて,バイオマスの種類と燃焼条件に応じた有害物質放出特性の評価を行っています。また,ペレットストーブの燃焼状態と排出ガス中の汚染物質の測定とも対応させて考察しています。最新の検討結果を第26回エアロゾル科学・技術研究討論会第6回アジアエアロゾル会議で公表しました。
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バイオディーゼル排ガス中の粒子状およびガス状汚染物質の組成・濃度に及ぼす燃料組成と運転条件の影響
  「バイオディーゼルは本当に環境に優しいのか?」という観点で,これまで全く確認されていないナノ粒子発生特性や,粒子径別の多環芳香族化合物濃度等の燃焼起源汚染物質の発生特性に着目し,バイオディーゼル燃料の混合比やエンジンの運転条件が排ガス中の粒子およびガス状成分に及ぼす影響を実験的に考察しています。さらに,上述のバイオマス燃焼に関連した研究と連携し,バイオ燃料生産過程も含めたバイオディーゼルの環境負荷にも検討を加え,その石油代替燃料としての位置付けをナノ粒子と有害汚染物質の観点からも評価していきます。一連の研究は,タイにおけるバイオディーゼル研究拠点の一つであるプリンスオブソンクラ大学と共同で実施しています。最新の検討結果を第6回アジアエアロゾル会議で公表しました。
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4)新たな取り組み

空気清浄用エアフィルタのライフサイクル総合評価手法の検討
本年度から,空気清浄用エアフィルタのライフサイクルコスト(LCC),ライフサイクルアセスメント(LCA),エネルギーコスト,フィルタ性能を総合的に評価する手法の検討を開始しました。
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木質バイオマス燃焼廃熱を利用した融雪に関わる環境負荷
本年度から,バイオマスおよびバイオ燃料の燃焼に伴うエミッションの評価の一環として,白山市白峰地区を対象とした木質バイオマス燃焼廃熱を利用した融雪に関わる環境負荷の評価に対する取り組みを開始しました。
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スタッフと学生

大気環境工学研究室は,古内教授をリーダーとして以下のメンバーで構成されています。

スタッフ
     2010年11月から,鮑 林発さんがスタッフメンバーに加わりました。日中韓GPプログラムのプロジェクトオフィサーとして,また大気エアゾル中の有機化合物の専門家として活躍中です。

学生 
   今年度の新メンバー構成です。昨年10月から今年9月一杯の予定で,タイからの研究生2名がメンバーの一員として活躍中です。10月からは,日中韓GP環境コースで中国から修士2名,研究生1名,タイから博士課程学生として,Rukが合流する予定です。今週中に4年生の研究テーマが決まる予定です。

所在・連絡先

大気環境工学研究室は,主に自然科学2号館Cブロック6Fを中心に活動しています。

居室

研究室の所在地
金沢大学 角間キャンパス(〒920-1192 石川県金沢市角間町 金沢大学自然研)
金沢大学へのアクセス
このHPに関するお問い合わせは mfuru@t.kanazawa-u.ac.jp まで
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