富山市岩瀬地区の町並み見学会

金澤町家研究会

富山市岩瀬地区の町並み見学会 平成18年9月30日(日)

富山市岩瀬地区の町並み見学会
       平成18年9月30日(日)

岩瀬見学報告 (本多義忠)

 研究会主催の富山市岩瀬見学会が9月30日(土)に行われました。
参加者は川上代表以下精鋭10名。AM9:30富山駅北口集合。
快晴の空のしたLRTに乗り込み出発。
 案内をお願いしてあった富山市都市計画課・福島さんとも合流しLRT
終点の岩瀬浜駅に到着。いざいざ岩瀬の町並みへ歩き出しました。

 まずは運河沿いの岩瀬カナル会館。ここは急増する来街者の為に整
備された休憩所兼食事等ができる所です。岩瀬橋を渡り5分程歩くと
大川新町通り(旧北国街道)に到着しました。

 電柱の無柱化された通りには、青い空と旧回船問屋を中心とする町並
みが続いており「ほ〜」といった感じでした。福島さんからいただいた修
景事業等の資料(これが内容のある資料で本当にありがとうございまし
た)を参考に解説をしていただきながら見学しました。

 いつもそうですが、この辺からみなさん興味を惹かれる場所へいかれ
収拾がつかなくなりました。が、みなさん目をきらきらされていました。
12時過ぎには、もう少し見たいなという感じを残して見学を終えました。

 私は所用のためここで帰らせていただきましたが、この後感想を兼ねて
昼食を食べたと思います。
 今回、参加できなっかた方は参加された方に岩瀬の感想を是非お聞い
てみてください。

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岩瀬見学の感想(星名啓)

「空が広くなった!」

  見学会で訪れた富山市岩瀬の大町新川町通りは、電線類の地中化がなされていました。この言葉は北前船回船問屋「森家」の案内をしてくれた地元のガイドの方の感想です。

 見学会当日は快晴で、地元の方の言葉どおり、広い空の下でまちなみを存分に楽しむことができました。

  今年4月にLRTが開通したこともあってか、私たちだけでなく、多くの人々が岩瀬を訪れていました。町家研見学会の参加者は10名。研究者、学生、職人、建築士、行政など本職は様々ですが、町家に対する思いの強さは共通だったと思います。それぞれ興味を持つ点がいろいろとあり、じっくりと時間をかけながら見学は進みました。
 
 岩瀬の町家は、広い間口を持ち、二階の軒の出が一階より大きく、一階庇が板葺きとなっているのが特徴的で、非常に力強い印象であると同時に、細やかな装飾が施されるなど繊細な面も感じられました。

  出格子に「スムシコ」と呼ばれる簾状の格子がしつらえてある町家が多くみられました。高岡の山町筋の町家のような、建物前面を防火戸で覆うことができるタイプのものもありました。

  また、新しい建築においてもまちなみへの調和が意識されており、通りの中程にあった北陸銀行は、RC造のビルに町家風ファサードがとりつけられた、「逆看板建築」とでもいうべきつくりとなっていました。
 
  電線地中化により「空」が広くなり、LRT開業によりいわば「道」も広くなり、岩瀬を訪れる「人」も幅広くなり、住民の方の意識が高まるとともに、まちの持つ力がどんどん強くなってきているように感じました。

 富山市による修景事業も引き続き行われるということで、これからのまちづくりも楽しみです。今後また岩瀬を訪ねてみたいと思います。 今回残念ながら不参加だった方も、是非岩瀬のまちを歩いてみてください。

  案内していただいた富山市役所の福島さんと谷沢さん、見学会を企画された事務局長の本多さん、そして参加者の皆さんのおかげで楽しい一日を過ごせました。どうもありがとうございました。

<説明に聞き入る参加者>
説明に聞き入る参加者
<北前船回船問屋「森家」>
北前船回船問屋「森家」
< 「スムシコ」その1(通り側より)>
「スムシコ」その1(通り側より)
< 「スムシコ」その2(裏側より) >「スムシコ」その2(裏側より)
< 「逆看板建築」 >
「逆看板建築」


■岩瀬の概要

  • 富山市の神通川河口にある港町である
  • 江戸期より明治期にかけて回船問屋が多く営まれ、北前船貿易で発展した
  • 明治6年の大火によりまちの大半が焼失したが、当時は北前船の最盛期であったため、回船問屋を始めとした財力によって、岩瀬独自の「東岩瀬回船問屋型」家屋として再建された

■岩瀬の町家の特徴

  • 間口が広い(回船問屋の財力を反映)
  • 軒を支える構造が力強く、雲形の腕木や彫刻のある破風板等の装飾がされており、繊細かつ重厚な印象(寺社建築を思わせる)
  • 二階の庇の出が大きい
  • 一階庇はムクリのついたコケラ葺き(大きな二階庇により板葺きが保護されるため残存している?)
  • 一階の通りに面する出格子部分に、簾を格子のように使った「スムシコ」がある

■森家(国指定重要文化財)の特徴

  • 大規模な三列型町家であり、広がりのある内部空間を持つ
  • トオリニワに面して、家の中央にダイナミックな吹き抜けを持つオイがあり、その奥にヒカエノマ、ザシキがある
  • 三列目の表側にはマエザシキ、チャシツに面して前庭があり、場の格を高めている
  • スムシコの下には馬をつなぐための金物が設置されている
  • 道具を収める蔵には龍、虎などの華やかな装飾(鏝絵)がなされている

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