講座紹介
環境工学講座

平成14年9月12日作成
平成22年4月5日更新


環境工学講座の研究室

環境工学講座には、4つの研究グループがあり、 環境の基本となる「水」「大気」「土壌」 そして「極限環境」に関連する研究と教育を行っています。


水環境研究グループ

水環境研究グループでは,川や海,湖,地下水等を, 安全で快適な水質に保つための工学技術について研究をしています。 水質保全には水域に汚染物質を流入させないことが最も重要です。 そこで,本研究グループでは,以下の3テーマの研究を行っています。

排水処理微生物の動態解析

下水処理で用いられている微生物を用いた処理技術 (活性汚泥法)をより高度なものにすることを目的に, 下水処理に携わっている微生物について調べています。 特に,活性汚泥の沈降性を悪化して 処理水質を低下させる糸状性細菌について調べています。

下水の高度処理法の開発

今まで利用されていなかった微生物を活用した, 新しい処理技術の開発を目指した基礎研究を行っています。

農畜産由来の硝酸塩の流出抑制方法の開発

農耕地の肥料や放牧地からの糞尿に含まれる 窒素からできる硝酸イオンが地下水を汚染していることから, 硝酸イオンの流出の抑制と汚染地下水の浄化方法の開発を行っています。

沈降性の悪い活性汚泥の顕微鏡写真 糸状性細菌の可視化写真 実験装置の写真
沈降性の悪い活性汚泥の顕微鏡写真 活性汚泥の沈降性を悪化させる糸状性細菌type021NgroupeIIの分子生物学的手法を用いた検出結果 硫酸塩還元細菌と硫黄脱窒細菌を用いた新しい排水処理法の開発のための実験装置

もっと知りたい方はこちら(池本研究室のサイト)へもどる


大気環境研究グループ

本研究室では,カンボジア・アンコール遺跡の大気汚染やタイの天然ゴム製造に伴う環境汚染の調査から, 空気中のナノ粒子を捕集するサンプラーの開発とそのナノ粒子汚染や個人ばく露評価への応用, ナノ光触媒エアロゾルの超音速流や軟X線を利用した高速有害物質分解, バイオマス燃料使用時に放出される有害大気汚染物質の特性評価まで, 大気環境とエアロゾルに関わる幅広い研究をしています。 詳しくは,ぜひ「大気環境工学研究室」のサイトをご覧ください。

大気環境モニタリングと発生源影響の評価

先進国の環境保全が進む陰で,実は発展途上国に環境負荷が押しつけられている と言われています。このような地域では,環境汚染の実態もあまり調査されていません。 ここでは,日本を含む全世界に「天然ゴム」を輸出しているタイと, 世界中から大量の観光客を受け入れている「アンコール遺跡」のあるカンボジアを中心に 大気環境汚染の現状と,その原因を調査しています。

大気汚染物質の排出抑制と測定のための新技術開発

大気中に浮かぶ1万分の1ミリ以下の小さな粒子(ナノ粒子)は バイオマス燃焼やディーゼル排ガスから大量に発生し,健康影響の大きさが懸念されていますが, 他方では,化学反応を爆発的に進める可能性も秘めています。 ここでは,空気中のナノ粒子を速やかに分離捕集する装置や, 光触媒をナノ粒子化して空気中の汚染物質を効率的に分離する装置の開発などをしています。

廃棄物・バイオマス燃料燃焼時の生成大気汚染物質の特性と対策

廃棄物やバイオマスからエネルギーを取り出す試みが行われていますが, 最も簡単で広く行われているのが「燃焼」です。バイオマスは燃焼で発生した 二酸化炭素を育成時に吸収するため「環境にやさしい」と言われていますが, 燃焼時に発生する煙については,あまり気にされていません。 ここでは,さまざまな燃焼炉やエンジン等が引き起こす環境汚染について 調査し,対策を検討しています。

環境汚染が懸念されるアンコール遺跡群 ナノ粒子が呼吸器に沈着する可能性
環境汚染が懸念されるアンコール遺跡群 人が吸い込んだナノ粒子が呼吸器に沈着する可能性

もっと知りたい方はこちら(大気環境工学研究室のサイト)へもどる


廃棄物・土壌環境研究グループ

廃棄物・土壌環境研究グループでは、 廃棄物の処理と有効利用及び土壌環境保全に関する研究を行っています。

廃棄物の処理と有効利用に関する研究

日々の活動から排出される廃棄物は、 ゴミとして焼却や埋め立てなどで処分されてきました。 しかし、これからは廃棄物をゴミとして扱うのではなく、 資源として再利用することが望まれます。 本研究室では、廃棄物を堆肥にするコンポスト化という再利用方法について、 コンピューターを用いたシミュレーションや実験を行っています。 また、工場から排出される汚染物質を土壌によって 回収し利用するシステムを提案しようとしています。

土壌環境の保全に関する研究

開発途上国では、エネルギー資源の枯渇や急激な人口増加に対処するための、 充分な農作技術が普及していません。 このため過放牧・過耕作・灌漑農業の塩類集積などにより、 毎年約600万haの土地が砂漠化しています。 本研究では、このようなことを念頭に置きながら土壌の塩類集積に着目し、 土壌内で起きている水分の移動や熱の移動を コンピューターシミュレーションによって解析し、 最適な修復方法を考えていくことを目的としています。

傾斜地の有効利用に関する研究

近代化・機械化・工業化の中で、 耕作地の放棄、森林リゾートの開発等が進み、 環境破壊が進行しています。 本来、山間地における農業は浸食防止・貯水池等の 優れた公益的機能を有していますが、 現実は農業従事者の高齢化、若年層人口の流出により 耕作放棄が進行しています。 そこで環境保全の一環として、 山間地の特色を生かした傾斜型ビニルハウスによる 農業の活性化が本研究の目的です。

四国高知県における傾斜ハウス群
傾斜ハウス群の写真

もっと知りたい方はこちら(関研究室のサイト)へもどる


極限環境研究グループ

本研究室ではエネルギー変換材料をはじめとして、環境に優しい様々な 高機能材料の探索を行っています

環境負荷を低減する新エネルギー変換材料の探索と合成

本研究で探索するエネルギー変換材料とは、それを利用する事で従来よりも大きく消費エネルギーを減らすことが出来る、あるいは従来未使用であったエネルギーを利用できるようになる材料です。特に、遷移金属や希土類を対象として、相転移や臨界現象を利用する材料の研究をおこなっています。例えばエアコンや冷蔵庫、エコキュート等で用いられるヒートポンプは、フロンガスに代表される温室効果ガスの相転移現象を利用しています。これを磁性材料に置き換える事により、環境に優しいヒートポンプ技術を生み出すことができます。

新しい合金鋼や構造用鋼材の開発

土木材料を始めとした様々な材料は、その高機能化(高強度化、高じん性化、長寿命化)によって製品に使われたときの環境負荷低減に寄与します。本研究では鉄などの磁性金属に様々な元素を混ぜる事による合金化、金属組織のナノレベル制御などを施し、強度や寿命を向上させた資源効率の高い鉄鋼材料の開発に取り組みます。

弾性率、歪み、応力など、材料特性評価のための測定技術開発

環境問題は極めて多様な自然現象に関係しています。問題を科学的の立場から理解するためには自然現象の定量的測定が必要不可欠です。自然現象は「温度」「圧力」「磁場」といった外部環境で制御できます。極限環境とは、高温あるいは低温、高圧あるいは真空といった、極限的な環境の事です。本研究は実験室系で様々な環境下におく事により、エネルギーやエントロピーといった熱力学的な物理量の変化を調べる事を目的としています。

テトラアーク単結晶育成炉
材料合成に用いる単結晶育成炉

もっと知りたい方はこちら(極限環境工学研究室のサイト)へもどる