材料研究室

材料研究室とは

 私たちの研究室では,建設材料のひとつであるコンクリートの研究を行っています.
 皆さんが「コンクリート」という言葉を聞くと,ダムや橋,ビルディングなどを連想し,それほど身近なものとは感じられないかもしれません.しかし,コンクリートは,一般住宅の基礎や学校の校舎など,普段の生活において目にするほとんどの構造物で使用され,現代の生活の中で欠かすことのできない材料です.
 コンクリートは「巨大なもの」と思うかもしれません.確かに,ダムや橋などを見ると,コンクリートは大きな塊として目に映るでしょう.しかし,コンクリートを構成するものは,セメント,水,砂,石などの手に取ることができる小さな材料です.コンクリートは,これらの材料を混ぜ合わせることにより,セメントと水が化学反応をおこして硬化してできるものです.そのため,実際にコンクリート構造物を造ろうとするとき,
 「セメント,水,砂,石はどのような割合で混ぜ合わせると良いのか?」
 「化学反応はどのように生じるのか?」
 「どんな性能のコンクリートができるのか?」
など,様々なことが解らなければなりません.

 また,一度造られたコンクリート構造物は,永久に所定の性能を保つものではありません.地震などによって壊れてしまったり,長年の使用にともない性能が低下することが避けられません.これらのコンクリートについて
 「どのように直していくのか?」
 「性能低下の原因は?」
 「コンクリートを長持ちさせるには?」
などの解決しなければならない問題点も多くあります.

 さらに,次世代のこと,例えば「リサイクル」や「環境にやさしいコンクリート」についても考えなければならないでしょう.
 私たちの研究室では,これらのコンクリートに関する様々な疑問点を解決することを目的に研究を行い,安心かつ快適な生活空間を社会に提供することを使命とする土木建設工学の一端を担っています.
 それでは,ほんの少しだけ私たちの研究を覗いてみましょう.

コンクリートの強さを調べています.

 コンクリートに求められる最も大切な性能は強さです.
セメント,水,砂,石を混ぜ合わせて造ったコンクリートは,それらの材料の混ぜ合わせる割合によって強さが異なります.「安全な性能を持つ構造物を造るためには,どのような割合で混ぜ合わせると良いのか」「自分たちが考えて造ったコンクリートは,どの程度の強さを持つのか」また「長い間使用されてきたコンクリートは,要求される強さを満たしているのか」などを調べる最も基本的な実験です.

実際のコンクリート構造物を調査しています.

 私たちの研究は,社会的要求によって行われています.
コンクリートは,現代社会で欠かせない材料です.しかし,コンクリートについて解らないことが多くあります.「なぜ性能が低下したのか」「なぜ壊れたのか」「いつまで使えるのか」・・・・・
実際の構造物においても,予想もしなかったような現象が発生します.これらの構造物を調査し,原因の解明および対策を考えることも重要な課題です.

コンクリートの病気(アルカリ骨材反応)によって発生する膨張量を測定しています.

 コンクリートにアルカリ骨材反応という病気が発生した場合,コンクリートは長期間にわたって膨張します.これによって,最終的にコンクリートは破壊してしまいます.
そこで,「どの程度コンクリートが膨張するのか」「いつまで膨張しつづけるのか」などを調べて,このメカニズムを考えています.

コンクリートに含まれる成分を調べています.

 コンクリートはアルカリ性(pH12~13)です.このアルカリ性は,コンクリート構造物にとって重要な性質です(説明は省きます).
コンクリートに問題(コンクリートの劣化)が生じた場合,その原因によってはpHが大きくなったり,小さくなったりします.
したがって,コンクリート中のアルカリ量を測定することは重要なことです.

電子顕微鏡を使用して,コンクリートの微視構造を観察しています.

 セメントの大きさを知っていますか?一般的に使用されるセメントの平均径は,およそ20~30マイクロメートルです.このセメントが水と化学反応して硬化します.
したがって,コンクリートの強さなどの性能は,目に見えないマイクロメートル,ナノメートルという大きさで生じている現象が重要なポイントとなります.この微視構造の特徴を知ることは,コンクリートで生じる様々な「わからないこと」を理解する手がかりとなります.

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